産後すぐの赤ちゃんは、よく寝るとは聞いていても、本当に授乳で起きないと「足りているのかな」「このまま寝かせていいのかな」と心配になりますよね。
この記事では、「新生児で授乳のときに起きない」状況について、考えられる原因と、安心してよいケース・注意が必要なサイン、安全な起こし方や授乳のコツを、ママ向けにやさしく解説します。
新生児が授乳で起きないときにまず知っておきたいこと

ここでは、「新生児で授乳のタイミングになっても起きない」場合に、まず知っておきたい基本的な考え方をまとめます。
新生児が授乳で起きないときでも、実は心配いらないことが多いのですが、中には注意が必要なサインが隠れていることもあります。
焦りすぎず、でも見逃さないためのポイントをおさえておきましょう。
新生児がよく寝る理由
新生児は1日のほとんどを寝て過ごします。
起きている時間の方が少ないくらいで、1日16〜20時間ほど眠ることも珍しくありません。
これは、体や脳が急速に成長するためにたくさんの睡眠が必要だからです。
お腹の中にいたときと同じように、昼夜の区別もまだはっきりしていないため、昼間でもよく寝ますし、夜中に突然元気になることもあります。
そのため、「授乳のタイミングぴったりに毎回しっかり起きる赤ちゃん」の方が少なく、多少の寝過ごしはよくあることだと知っておきましょう。
新生児で授乳のときに起きないときの基本的な見方
新生児で授乳のときになかなか起きないと、「寝すぎでは?」「母乳やミルクが足りていないのでは?」と不安になります。
判断のポイントは「トータルでよく飲めているか」「元気があるか」「おしっこやうんちが出ているか」です。
一回の授乳ごとにきっちり起きる必要はありませんが、1日の合計の授乳回数や飲めている量、体重の増え方などが大切になります。
また、起きたときにしっかり力強く泣くか、肌の色や体の温かさはどうか、というところも合わせて見てあげましょう。
安心してよいケースの目安
新生児で授乳の時間に起きないことがあっても、次のような様子であれば、基本的にはそれほど心配しなくて大丈夫なことが多いです。
- 1日8〜12回前後の授乳ができている
- おしっこが1日6回以上出ている
- うんちが毎日、もしくは数日に1回でも柔らかく出ている
- 起きているときは顔色がよく、手足をよく動かしている
- 生後数日〜1週間以降、体重がゆるやかに増えてきている
- 起きたタイミングでは、比較的よく飲めている
こうしたサインが見られるなら、多少授乳で起きない回があっても、赤ちゃんのペースと考えてよいことが多いでしょう。
受診を考えたい危険なサイン
一方で、新生児で授乳のタイミングに起きない様子が続き、次のようなサインがある場合は、早めに小児科や産科へ相談・受診を検討してください。
| 気になるサイン | 具体的な様子 |
|---|---|
| 極端に起きない | 強く揺すったり声をかけても、ほとんど反応しない |
| 飲みがとても弱い | 乳首をくわえてもすぐ離す、ほとんど吸わない |
| 顔色が悪い | 青白い、唇や舌が紫っぽい |
| 体温の異常 | 38度以上の発熱、または36度未満で冷たい |
| おしっこやうんちが少ない | 半日以上おむつがほとんど濡れない |
| ぐったりしている | 抱いても力が入らず、泣き声も弱い |
こうしたサインがあるときは、「様子見でいいのかな」と悩むよりも、早めに医療機関に連絡し、指示を仰ぐことが大切です。
何時間までなら寝かせておいて大丈夫か
新生児期は、授乳間隔は3時間おきが目安とよく言われます。
母乳の場合は、2〜3時間おき、ミルクの場合は3〜4時間おきくらいが一般的です。
ただし、これはあくまで目安であり、1回2回くらい間隔が空いてしまったからと言って、すぐに問題が起こるわけではありません。
生後間もない時期(特に生後1週間〜生後1か月ごろ)で、体重の増え方がまだゆっくりなうちは、4時間以上続けて寝ているときは一度起こして授乳してみると安心です。
その後、体重も順調で、日中にある程度まとめて飲めているようであれば、夜に少し長く寝ることがあっても、赤ちゃんのペースを尊重する場合もあります。
個々の状況によって違うため、1か月健診や母乳外来などで、具体的に相談するとより安心です。
低体重や黄疸の子などで、病院から指示があるこの場合はしっかり起こしましょうね!
新生児が授乳で起きない主な原因
ここからは、新生児が授乳のタイミングになっても起きないときに考えられる主な原因についてお話しします。
原因がわかると、「うちの子はこのタイプかも」とイメージしやすくなり、対応もしやすくなります。
単純に眠りが深いタイプの赤ちゃん
大人と同じように、赤ちゃんにも「よく寝るタイプ」「眠りが浅くてすぐ起きるタイプ」があります。
もともとよく寝るタイプの赤ちゃんは、授乳の時間になってもスヤスヤと寝続けてしまうことがよくあります。
ただ、きちんと体重が増えていて、起きたときにしっかり飲めているのであれば、赤ちゃんの個性の範囲と考えてよいことが多いです。
「うちの子は起こしてもなかなか起きないけど、起きたらよく飲んでよく出す」という場合は、あまり自分を責めず、赤ちゃんのリズムに少しずつ付き合ってあげましょう。
お腹がそこそこ満たされている
前の授乳でしっかり飲めていると、次の授乳までぐっすり眠ってしまうことがあります。
新生児であっても、一時的に授乳の間隔が長めになることはあります。
特に、母乳とミルクの混合や、完全ミルクの赤ちゃんは、ミルクが消化に時間がかかるため、母乳だけの場合よりも授乳間隔があきやすい傾向があります。
反対に、飲みが少ないのに授乳で起きない場合は注意が必要なので、前の授乳でどれくらい飲めたかを振り返ってみると判断しやすくなります。
黄疸や体調不良による眠気が強い場合
新生児黄疸が強いと、体がだるく、いつもより眠りがちになることがあります。
多くの新生児黄疸は生理的なもので、自然に落ち着いていきますが、黄疸の数値が高く、眠気がとても強い場合には治療が必要になることもあります。
また、感染症や脱水などの体調不良でも、赤ちゃんはぐったりして授乳で起きないことがあります。
顔色がいつもと違う、泣き声が弱い、体温が普段と大きく違うなど、「なんとなくおかしい」と感じたら、早めに受診を検討しましょう。
授乳のリズムがまだ整っていない
産まれて間もない新生児は、まだ「お腹が空いたから起きる」「満たされたから寝る」というリズムが安定していません。
そのため、「さっき飲んだばかりなのにすぐ起きる」「そろそろ飲む時間なのに、授乳で起きない」ということが入り混じって起きます。
これは成長とともに少しずつ整ってくるので、最初のうちはあまりきっちり時間で管理しすぎず、「赤ちゃんのサイン」と「おおまかな時間の目安」を両方参考にしていくと、お互い少し楽になります。
生後日数ごとの起き方や授乳の目安
新生児が授乳で起きないかどうかの感じ方は、生後日数によっても変わってきます。
ここでは、おおよその目安を表にまとめます。
| 時期 | 起き方の目安 | 授乳の目安 |
|---|---|---|
| 生後0〜3日 | 眠りがちで、起きている時間はとても短い | 2〜3時間おきに少量ずつ、回数多め |
| 生後4日〜1週間 | まだよく寝るが、泣いて空腹を知らせることも増える | 3時間前後おきが目安、体重増加を重視 |
| 生後2〜3週間 | 昼夜関係なく寝たり起きたりを繰り返す | 1日8〜12回ほど、赤ちゃんの欲しがりに合わせる |
| 生後1か月ごろ | 少しずつ「飲む→起きている→寝る」のリズムが出てくる | 1回量が増え、間隔が少しずつあくことも |
あくまで目安なので、すべて当てはまらなくても心配しすぎる必要はありません。
大切なのは、赤ちゃんの様子と体重の増え方を、一緒に見ていくことです。
新生児が授乳で起きないときの安全な起こし方
授乳の時間になっても新生児が起きないとき、どうやって起こしたらよいのか迷いますよね。
強く揺すったり、大きな音を立てて驚かせるような起こし方は、赤ちゃんに負担になります。
ここでは、新生児にやさしく安心な起こし方のコツを紹介します。
やさしく声かけをして様子を見る
まずは、遠くから急に触るのではなく、そっと近づいてやさしく声をかけてあげましょう。
「○○ちゃん、そろそろおっぱい飲もうか」「おはよう」といった短い言葉で構いません。
赤ちゃんによっては、ママの声が聞こえるだけで、少しずつまぶたが動いたり、体をもぞもぞさせたりして、自然と目を覚ますことがあります。
すぐに反応がなくても、しばらく待ってみて、それでも起きないようであれば、次のステップに進みます。
おくるみや布団を少しだけゆるめる
新生児は、ぬくぬくと温かく包まれていると、安心してよく眠ります。
逆に言えば、おくるみや掛け布団を少しゆるめてあげると、眠りが浅くなりやすいです。
ただし、急に冷やしすぎないよう注意が必要です。
室温や赤ちゃんの体温を見ながら、包み方を少し緩める程度にとどめておきましょう。
やさしい刺激で起こしてみる方法
声かけやお布団の調整だけでは新生児が授乳で起きないときには、次のようなやさしい刺激を試してみてもよいでしょう。
- 足の裏をやさしくさする、トントンと触る
- ほっぺや耳の後ろを軽くなでる
- 服の上から背中をさすってみる
- おむつ替えをしてみる
- カーテンを少し開けて、自然な明るさにする(昼間の場合)
これらの刺激で、眠りが浅くなり、自然と目を開けてくれることがあります。
それでもなかなか起きない場合は、無理に長時間起こそうとしすぎず、一度時間をおいて様子を見るのもひとつです。
避けたい起こし方
新生児を起こしたいからといって、次のような起こし方は避けてください。
赤ちゃんの体に負担がかかったり、びっくりさせてしまう原因になります。
| 避けたい起こし方 | 理由 |
|---|---|
| 体を強く揺する | 頭や首に負担がかかり危険 |
| 大きな声や音で驚かせる | びっくりして泣き方が激しくなることがある |
| 冷たいタオルや風で急に冷やす | 体温が下がりすぎるおそれがある |
| ほっぺを強くつねる | 皮膚がとても薄く、傷つきやすい |
「どうしても起きない」と焦ると、つい強めに揺すってしまいそうになりますが、新生児の体はとても繊細です。
やさしい刺激をこころがけ、「それでも起きないときは医療機関に相談する」という気持ちでいてください。
起こしても飲まないときの考え方
がんばって起こしても、乳首をくわえたまま寝てしまう、何度もウトウトしてしまうということもあります。
そんなときは、「絶対にこのタイミングでたくさん飲ませなきゃ」と自分を追い込みすぎないことも大切です。
数分でも飲めたらそれでよしとし、また次に目を覚ましたときに、こまめに飲ませていくスタイルでもかまいません。
ただし、1回1回の授乳がほとんど飲めていないのに、授乳で起きない状態が続く場合は、脱水や低血糖が心配になるので、早めに相談しましょう。
新生児の授乳量と間隔の目安
「どれくらい飲めていたら安心なのか」がわかると、新生児が授乳で起きないときにも判断しやすくなります。
ここでは、母乳とミルクのそれぞれについて、おおよその目安をお伝えします。
あくまで平均的な目安なので、厳密に当てはめる必要はありませんが、参考にしてみてください。
母乳の授乳の目安
母乳は、赤ちゃんによって飲む量や飲むスピードが大きく違います。
また、ママの母乳の出方によっても変わるため、「何ミリリットル飲んでいるか」を正確に測るのは難しいものです。
新生児期の母乳育児では、次のような状態であれば、まずは順調と考えやすいです。
| ポイント | 目安 |
|---|---|
| 授乳回数 | 1日8〜12回程度(3時間おき前後) |
| 授乳時間 | 片方5〜15分ずつ、または欲しがるだけ |
| おしっこの回数 | 1日6回以上 |
| 体重の増え方 | 1日20〜30g前後増えている |
母乳の場合は、「時間や量」だけにとらわれず、「赤ちゃんの機嫌」「おむつの状態」「体重の推移」を合わせて見ることが大切です。
ミルクの授乳の目安
完全ミルクや、ミルクを足している場合は、缶やパックの表示に、大まかな量や回数の目安が書かれています。
新生児期のおおよその目安としては、次のように考えられます。
- 生後0〜1週:1回30〜60mlを、2〜3時間おき
- 生後2〜3週:1回60〜80mlを、3時間前後おき
- 生後1か月ごろ:1回80〜120mlを、3〜4時間おき
あくまで平均なので、もっと少なくても元気で体重が増えていれば問題ないこともありますし、よく飲む子は多めになることもあります。
「ミルクの缶の表示どおり飲めていない=足りていない」とは限らないので、心配なときは体重や赤ちゃんの様子を見ながら、助産師さんや小児科医に相談しましょう。
授乳記録をつけるメリット
新生児が授乳で起きないことが増えてくると、「前はどれくらい飲めていたかな」「最近飲む量が減っている?」と不安になることがあります。
そんなとき、簡単でよいので授乳記録をつけておくと、自分でも変化に気づきやすくなります。
記録といっても、ノートやスマホアプリに次のようなことをメモするだけでも十分です。
- 授乳した時間
- 母乳かミルクか
- だいたいの量(ミルクの場合)
- おしっこやうんちの回数
体重測定のときや、受診時に見せると、医師や助産師さんも状況を把握しやすく、具体的なアドバイスにつながりやすくなります。
それでも不安なときの相談先とママの心のケア
新生児が授乳で起きない様子を見ていると、「これで本当に大丈夫なのかな」と何度も不安になると思います。
育児書やネットの情報だけでは、自分の赤ちゃんに当てはめたときの判断が難しいことも多いですよね。
ここでは、困ったときの相談先と、ママ自身の心のケアについてお伝えします。
すぐに相談してよい窓口
「こんなことで受診していいのかな」と迷ってしまいがちですが、新生児期はちょっとした不安でも、早めに相談してかまいません。
次のような相談先があります。
- かかりつけの小児科
- 出産した産院・病院の外来、母乳相談室・産後ケア施設
- 自治体の育児相談窓口や保健センター
- 24時間対応の小児救急電話相談(♯8000など)
「新生児で授乳のときに起きないことが多くて心配」「飲む量が少ない気がする」など、気になっていることを正直に伝えて大丈夫です。
医療者側も、新生児期の心配事はよくあることだと理解しているので、「こんなこと聞いていいのかな」と遠慮しすぎなくて大丈夫ですよ。
夫や家族にしてもらえるサポート
新生児期は、ママの睡眠も細切れになり、心身ともにとても疲れやすい時期です。
赤ちゃんが授乳で起きないことを心配する気持ちも、疲れがたまるほど強く感じやすくなります。
パパや家族には、次のようなサポートをお願いしてみましょう。
| してもらえること | 具体的な内容 |
|---|---|
| 家事のサポート | 料理、洗濯、掃除、買い物などをメインで担当してもらう |
| ミルク作りや授乳の補助 | ミルク育児の場合は、夜間の授乳を交代してもらう |
| 赤ちゃんの抱っこ | 寝かしつけやあやす役をお願いして、ママが横になる時間を作る |
| 気持ちを聞いてもらう | 不安や心配を否定せずに、ただ聞いてもらう |
「私は大丈夫」「自分ががんばらないと」と抱え込みすぎず、できるだけ周りを頼ってくださいね。
ママ自身の休息と気持ちの整え方
新生児期は、「寝ている間に家事をしなきゃ」と思ってしまいがちですが、まずはママの睡眠と休息を最優先にしてよい時期です。
赤ちゃんが寝ているときは、家事よりも「ママも一緒に横になる」ことを意識してみてください。
また、「新生児で授乳のときに起きないのは、私のせいかも」と自分を責めてしまうママも多いですが、赤ちゃんの眠り方は、ママの努力不足とは関係ありません。
「今日も一日よくがんばった」と、自分をねぎらう気持ちを、どうか忘れないでくださいね。
新生児が授乳で起きないときに覚えておきたいポイント
新生児で授乳のときになかなか起きないのは、よくあることです。
まずは、「1日のトータルで飲めているか」「おしっこやうんちが出ているか」「元気があるか」をチェックしましょう。
寝ている新生児を授乳で起こそうとしても難しいときは、少し時間をおいてからまた試す、トータルで飲めていればOK、とゆるやかに考えることも大切です。
そして何より、ママ自身の心と体のケアも忘れないでください。
あなたと赤ちゃんのペースで、少しずつできることを増やしていければ、それが何よりの「がんばり」です。