赤ちゃんが生まれると、多くのお母さんが「搾乳と授乳をどう両立すればいいのだろう」と悩み始めます。
直接おっぱいを飲ませるだけでなく、搾乳を取り入れることで、母乳育児はラクになる場合がありますが、その一方で「いつ搾ればいい?」「どれくらい搾ればいい?」と迷ってしまうことも多いものです。
この記事では、搾乳と授乳を無理なく続けるための基本的な考え方や、よくあるお悩み、生活シーンごとのポイントを解説していきます。
完母を目指している方はもちろん、混合育児中のお母さんや、これから仕事復帰を考えている方にも役立つ内容をお届けします。
搾乳と授乳を両立させるために知っておきたい基本
ここでは、搾乳と授乳を一緒に行うときに、まず知っておきたい基本的な考え方とポイントをまとめます。
母乳の仕組みや、搾乳のタイミング、頻度の目安を理解しておくと、日々の迷いが少なくなり、気持ちに余裕が生まれます。
母乳がつくられる仕組みとは?

搾乳と授乳をうまく両立させるためには、母乳がどのようにしてつくられるのかを簡単に知っておくことがとても役立ちます。
母乳は、赤ちゃんに飲まれたり、搾乳でしっかり出したりすることで「もっと作ってね」というサインが体に伝わり、少しずつ分泌量が増えていきます。
逆に言うと、おっぱいの中に母乳がたくさん残っている状態が続くと、「そんなにいらないのかな」と体が勘違いして、だんだん作る量を減らしていってしまいます。
この「出せば作られる」「たまると作る量が減る」という流れを意識すると、搾乳と授乳のバランスを考えやすくなります。
搾乳と授乳のタイミングの考え方
搾乳と授乳を同時に行うときに一番悩みやすいのが、「いつ搾ればいいのか」というタイミングです。
基本的には、赤ちゃんが直接飲んだあとか、赤ちゃんが長く寝ていておっぱいが張っているときに搾乳を取り入れる方法が、体への負担が少なく続けやすいとされています。
特に、赤ちゃんの飲む量がまだ少ない月齢のうちは、飲み残しを軽く搾乳しておくことで、乳腺炎の予防や、母乳量を増やすことにもつながります。
おっぱいが張りやすい人は、退院前に助産師さんにも聞いておくと良いですよ!
搾乳と授乳の頻度の目安
搾乳と授乳を組み合わせるときの大まかな頻度は、赤ちゃんの月齢やお母さんの体調、生活リズムによって変わってきます。
目安として知っておくと安心できるように、ここでは一般的なパターンを表にまとめました。
搾乳を検討している人は、参考にしてみるです~!!
| 赤ちゃんの月齢 | 授乳の回数の目安 | 搾乳の取り入れ方の例 |
|---|---|---|
| 生後0〜1か月 | 1日8〜12回 | 授乳後に軽く搾乳、張りが強いときは追加で搾る |
| 生後2〜3か月 | 1日7〜10回 | 朝の授乳後にしっかり搾乳、他の時間は様子を見て調整 |
| 生後4〜6か月 | 1日5〜8回 | 仕事復帰を見据えて、1〜2回の搾乳タイムを習慣化 |
| 生後7か月以降 | 1日4〜6回 | 離乳食とのバランスを見ながら、必要なときだけ搾乳 |
あくまで目安なので、「この通りにしないといけない」と考えず、赤ちゃんの様子と自分の体調を優先して調整していきましょう。
搾乳と授乳で母乳量を増やしたいときのポイント
搾乳と授乳を組み合わせることは、母乳量を増やしたいときにもとても有効です。
母乳を増やしたいときには、1日のどこかで「少し集中的におっぱいをたくさん刺激する時間」を作るとよいと言われています。
具体的には、日中の比較的余裕がある時間帯に、赤ちゃんに飲んでもらったあとにさらに搾乳をして、おっぱいをよりしっかり空に近い状態にする方法があります。
これを数日から数週間、無理のない範囲で続けていくと、少しずつ母乳量が増えてくることが多いです。
搾乳と授乳を続けるうえで大切な心構え
搾乳と授乳をしていると、「今のやり方で合っているのかな」「母乳が足りていないのでは」と不安になってしまうことがよくあります。
ですが、搾乳と授乳の「正解の形」は家庭ごとに違い、お母さんの体調や赤ちゃんの個性によっても大きく変わります。
周りと比べすぎず、「自分と赤ちゃんがラクに続けられる形」を見つけていくことが一番大切です。
しんどいときは、搾乳の回数を一時的に減らしたり、ミルクを上手に取り入れたりすることも、立派な育児の選択です。
搾乳と授乳の具体的なやり方とコツ
ここからは、搾乳と授乳を実際にどう進めていけばよいか、具体的な方法とコツをお伝えしていきます。
搾乳の基本的なステップ
搾乳と授乳を安全に続けるためには、基本のステップを押さえておくことが大切です。
特に、衛生面とおっぱいへの負担を少なくすることを意識しながら行いましょう。
- 手を石けんでしっかり洗い、清潔なタオルでふき取る
- 搾乳に使う容器や搾乳機が清潔かを確認する
- おっぱいを軽くマッサージして温める
- 搾乳機または手搾りで、痛みが出ない強さで搾る
- 搾った母乳を清潔な保存容器に移す
- 容器に日付と搾乳した時間を書いて保管する
慣れるまでは時間がかかることもありますが、少しずつ自分なりのやりやすい方法が見つかっていきます。
手搾りと搾乳機の選び方
搾乳と授乳を続けていくうえで、「手搾りでいくか、搾乳機を使うか」は多くのお母さんが迷うポイントです。
どちらにもメリットとデメリットがあるので、自分の生活スタイルや体質に合わせて選んでいきましょう。
| 方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 手搾り | 道具がいらず、外出先でも対応しやすい | 慣れるまでコツが必要で、手が疲れやすい |
| 手動搾乳機 | 比較的安価で、音も静か | 長時間だと腕が疲れやすい |
| 電動搾乳機 | 短時間で多く搾れる傾向がある | 価格が高めで、電源や充電が必要 |
どの方法を選んでも、「痛みがないか」「おっぱいが赤くなっていないか」をこまめにチェックして、無理のない範囲で行うことが大切です。
搾乳前後のおっぱいケア
搾乳と授乳を続けていると、おっぱいが張りやすくなったり、乳頭が敏感になったりしやすくなります。
そのため、搾乳の前後に少しだけケアを取り入れてあげると、トラブルの予防につながります。
搾乳前には、乳頭周りを軽くマッサージしたりして、母乳が出やすい状態をつくるとスムーズです。
搾乳後には、タオルでやさしくふき取ってから保湿クリームを少量使うと、乳頭の乾燥やひび割れを防ぎやすくなります。
搾乳した母乳の保存の基本
搾乳と授乳を安全に行うためには、搾乳した母乳の保存方法もぜひ知っておきたいポイントです。
保存の仕方によって、使える時間や風味が変わってくるため、自分の生活パターンに合わせて選びましょう。
- 室温(25度前後)の場合は、目安として4時間以内に使い切る
- 冷蔵庫(4度前後)では、基本的に24時間以内に使用する
- 冷凍保存の場合は、おおむね1か月程度を目安にする
- 一度解凍した母乳は再冷凍しない
- 解凍や温めは、湯せんやぬるま湯を使い、電子レンジは避ける
保存容器は、専用の保存パックや哺乳びんなど、清潔に保てるものを選ぶと安心です。
搾乳した母乳の授乳の進め方
搾乳と授乳を組み合わせるときには、「いつ冷凍した母乳を使うのか」「どの順番で使うのか」も迷いやすいポイントです。
基本的には、先に搾った母乳から順番に使っていくことで、無駄なく使い切ることができます。
赤ちゃんが飲む量が変化してきたら、1回量を少なめと多めの2種類に分けて保存しておくと、状況に合わせて調整しやすくなります。
生活リズムに合わせた搾乳と授乳の工夫
搾乳と授乳を続けていくうえでは、赤ちゃんのリズムだけでなく、お母さんの生活リズムとのバランスもとても重要です。
ここでは、夜間の過ごし方や上の子がいる場合の工夫など、日常生活に沿ったヒントをお届けします。
夜間の搾乳と授乳のバランス
搾乳と授乳で特に大変なのが、眠たい夜間の対応です。
母乳量をしっかり確保したい場合、夜間の授乳や搾乳はできる範囲で続けた方がよいと言われていますが、お母さんの睡眠も同じくらい大切です。
もしパートナーが協力できる場合は、夜中の1回だけ搾乳した母乳を哺乳びんで飲ませてもらい、そのあいだお母さんはまとまって眠る、という方法もあります。
数日間眠れない状態が続いてつらいときは、一時的に夜間の搾乳をお休みして、体力の回復を優先することも選択肢のひとつです。
上の子がいる家庭での過ごし方
上の子がいる家庭では、搾乳と授乳の時間をゆっくり確保するのが難しいと感じるお母さんも少なくありません。
そんなときは、日中は無理に搾乳を頑張りすぎず、上の子がお昼寝している時間や、パートナーがいる時間帯に搾乳タイムをまとめると負担が軽くなります。
上の子にも「赤ちゃんにごはんをあげる準備をしているんだよ」と伝えて、ママのそばで一緒におもちゃで遊んでもらうなど、参加している感覚を持ってもらう工夫も役立つことがあります。
お母さんの体調がすぐれないときの対処
搾乳と授乳をしている最中でも、お母さんの体調がすぐれない日や、急な発熱がある日も当然出てきます。
そのようなときは、いつも通りに搾乳と授乳を続けようと無理をせず、まずは自分の体を守ることを優先しましょう。
どうしても搾乳の回数が減ってしまうときは、張りが強くてつらいときだけ軽く搾っておくなど、「量よりも痛みの軽減」を意識してみてください。
発熱や体調不良が続く場合は、かかりつけ医や母乳外来に相談して、薬と授乳の兼ね合いについても確認しておくと安心です。
仕事復帰と搾乳と授乳の両立
育休明けの仕事復帰を控えているお母さんにとって、搾乳と授乳をどのように続けるかは大きな不安材料になりやすいテーマです。
ここでは、仕事復帰前の準備や、復帰後の職場での搾乳の工夫についてお伝えします。
仕事復帰前にしておきたい準備
搾乳と授乳を仕事復帰後も続けたい場合は、復帰の少し前から少しずつ練習しておくとスムーズです。
具体的には、保育園に預ける時間帯をイメージしながら、その時間に搾乳をする習慣をつくっておくと、体も徐々に新しいリズムに慣れていきます。
また、冷凍母乳をあらかじめ少しストックしておくと、復帰直後に余裕がなくなったときの安心材料になります。
復帰後の授乳スタイルの考え方
仕事復帰後は、搾乳と授乳のリズムがそれまでと大きく変わるため、戸惑いを感じるお母さんも多いです。
平日は、日中は搾乳とミルクや離乳食でつなぎ、朝と帰宅後、寝る前にしっかり授乳するスタイルもよく選ばれています。
休日は赤ちゃんと一緒にいる時間が長くなるので、なるべく直接授乳の回数を増やし、お互いのスキンシップの時間としても大事にするとよいでしょう。
復帰後のライフスタイルに合わせて、完全母乳にこだわりすぎず、混合育児も含めて柔軟に考えていくことが心の余裕につながります。
搾乳と授乳をラクに続けるためのヒント
最後に、搾乳と授乳を少しでもラクに、前向きな気持ちで続けるための小さなコツや考え方をお伝えします。
家族にできるサポートをお願いする
搾乳と授乳は、お母さんひとりで抱え込もうとするとどうしても負担が大きくなりがちです。
パートナーや家族に、次のようなサポートをお願いしてみると、少し気持ちがラクになるかもしれません。
- 搾乳した母乳を哺乳びんで飲ませる係をお願いする
- 搾乳中に上の子と遊んでもらう
- 哺乳びんや保存容器の洗浄を手伝ってもらう
- 夜間の1回だけでも授乳を代わってもらう
「ここまでしてもらっていいのかな」と遠慮してしまうかもしれませんが、お母さんの心と体を守ることは、家族全体にとっても大切なことです。
困ったときは専門家に相談する
搾乳と授乳でどうしても不安や疑問が解消しないときは、ひとりで抱え込まずに専門家に相談することも大切です。
助産師さんがいる母乳外来や、地域の保健センター、かかりつけの小児科などでは、おっぱいの状態や授乳方法について具体的なアドバイスを受けることができます。
痛みやしこり、発熱などがある場合も、早めに相談することで、重いトラブルを防ぎやすくなります。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うような小さな悩みも、言葉にしてみるだけで気持ちが軽くなることがあります。
搾乳と授乳を自分のペースで続けていくために
搾乳と授乳を両立させることは、決して簡単なことではありませんが、お母さんと赤ちゃんに合ったスタイルを見つけていくことで、ぐっとラクに感じられるようになります。
母乳の仕組みや搾乳の基本、保存方法、生活リズムや仕事復帰との両立などを知っておくことで、日々の迷いも少しずつ減っていきます。
何よりも大切なのは、「頑張りすぎず、自分と赤ちゃんが心地よく続けられる形を選ぶ」という視点です。
搾乳と授乳のやり方は、途中で変えてもかまいませんし、ミルクを取り入れる選択をしても、それは立派な育児の一つの形です。
この記事が、あなたと赤ちゃんにとって、少しでも安心して搾乳と授乳に向き合うきっかけになればうれしいです。



