赤ちゃんのミルクを作るときに、ミネラルウォーターを使っても大丈夫なのか、不安に感じるお母さんはとても多いです。
「家にミネラルウォーターがあるから使いたいけれど、赤ちゃんに負担がないか心配」「湯冷ましとどちらが安全なの?」と、迷ってしまいますよね。
ここでは、ミルクにミネラルウォーターを使うときのポイントや、安全な水の選び方、注意点を解説します。
ミルクにミネラルウォーターを使っていいの?
赤ちゃんのミルクにミネラルウォーターを使ってよいのかどうかは、多くのお母さんがインターネットで検索しているテーマです。
まずは、ミルクにミネラルウォーターを使うときに気になるポイントや、基本的な考え方から整理していきましょう。
ミルクに使う水で大切な考え方
ミルクに使う水で一番大切なのは、「赤ちゃんの体に負担をかけないこと」と「清潔で安全であること」です。
赤ちゃんは腎臓の機能がまだ未熟なため、大人よりも水分やミネラルのバランスの変化に弱い特徴があります。
そのため、ミネラル分が多すぎる水や、殺菌が不十分な水は避ける必要があります。
ミルク専用の粉ミルクは、水道水で作ることを前提に設計されていることがほとんどで、栄養バランスもそれに合わせて調整されています。
つまり、ミルクにミネラルウォーターを使う場合は、水道水と同じくらい、またはそれ以下のミネラル量であることを確認することが大切になります。
ミネラルウォーターの硬度と赤ちゃんへの影響
ミネラルウォーターには、軟水と硬水の2種類があります。
ミネラルウォーターを選ぶときに必ず押さえておきたいキーワードが「硬度」です。
硬度:水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を示した数字
一般的に値が高いほどミネラル分が多い水だと考えられます。
赤ちゃんのミルクにミネラルウォーターを使う場合は、この硬度が低い「軟水」を選ぶことが基本です。
硬度の高い「硬水」は、ミネラル分が多く、赤ちゃんの腎臓に負担をかける可能性があるため、ミルク作りには適していません。
目安としては、硬度が60mg/L未満のミネラルウォーターであれば、ミルクに使っても問題ないとされています。
ミルクにミネラルウォーターを使うときの基本ルール
ミルクにミネラルウォーターを使うときには、いくつか守っておきたい基本のルールがあります。
- 硬度60mg/L未満の軟水かどうかを確認する
- 衛生面を考え、一度沸騰させてから使う
- 開封後はできるだけ早く使い切る
- ガス入り(炭酸入り)のものは使用しない
- フレーバー付きの水は使わない
粉ミルクメーカーが推奨している水の種類
多くの粉ミルクメーカーは、基本的には「水道水を沸騰させて冷ました湯冷まし」でミルクを作ることを推奨しています。
これは、水道水の安全基準がしっかりしていることと、粉ミルクの成分が水道水に合わせて設計されているからです。
一方で、ライフスタイルの変化に合わせて、赤ちゃん用のミネラルウォーターや純水が販売されるようになり、それらを推奨しているケースも増えています。
粉ミルクの缶や箱には、「使用する水について」の説明が小さく書かれていることが多いので、あらためて読んでおくと安心です。
ミルク作りに使える水の種類を整理
ミルクにミネラルウォーターを使うかどうかを考えるとき、そもそもどんな種類の水があり、それぞれどのような特徴があるのかを整理しておくと安心です。
ここでは、水道水、ミネラルウォーター、赤ちゃん用の純水、それぞれのポイントについて見ていきます。
水道水を使うときのポイント
日本の水道水は、厳しい基準のもとで管理されていて、そのまま飲めるほど安全性が高いとされています。
とはいえ、赤ちゃんのミルクに使うときには、念のため一度沸騰させて消毒し、70度以上のお湯でミルクを溶かすことが推奨されています。
その後、赤ちゃんが飲める温度まで冷ますことで、安全性を保ちながらミルクを作ることができます。
地域によっては、水道水のカルキ臭が気になるお母さんもいますが、沸騰させてしばらく沸かし続けることで、ある程度は軽減できます。
水道水はコストも安く、常に安定して使えるため、基本となる選択肢として覚えておきましょう。
市販のミネラルウォーターを選ぶときの注意点
市販のミネラルウォーターをミルクに使いたい場合は、ラベルをよく確認してから選ぶことが大切です。
- 硬度が低い軟水であるかどうかを確認する
- カルシウムやマグネシウムの量が多すぎないかを見る
- 「赤ちゃんにも使える」といった表記がある商品を優先する
- 炭酸入りやフレーバー付きは避ける
- 開封後は冷蔵庫で保管し、早めに使い切る
特に海外のミネラルウォーターは硬度が高いものが多く、赤ちゃんのミルクには不向きな場合が少なくありません。
ミルクにミネラルウォーターを使うときは、日本国内で販売されている軟水のものを選ぶようにすると安心です。
外国の軟水だと、アイスフィールド、クリスタルカイザー、ヴォルビックなどは使用可能です。
赤ちゃん用の水や純水の特徴
最近では、「赤ちゃんのミルク作りに使えます」と表示されたペットボトルの水や、純水と呼ばれる商品も増えています。
これらは、ミネラル分をほとんど含まず、雑菌や不純物をできるだけ取り除いた水で、ミルク作りに使いやすいのが特徴です。
赤ちゃん用の水や純水は、外出先でミルクを作るときや、災害時の備蓄用としても心強い存在になります。
ただし、開封後に長時間置いておくと雑菌が増える可能性があるため、水道水と同じように、早めに使い切ることが大切です。
日常的には水道水の湯冷ましを使い、必要に応じて赤ちゃん用の水や純水、ミルクに使えるミネラルウォーターを使い分ける、という考え方もおすすめです。
ミルクとミネラルウォーターを安全に使う工夫
ミルクにミネラルウォーターを使う前提を理解したうえで、日常生活の中でどのように取り入れていけばよいのかを考えてみましょう。
ここでは、実際の使い方やシーン別の工夫についてお伝えします。
自宅でのミルク作りの基本手順
自宅でミルクを作るときの基本の流れを、あらためて確認しておきましょう。
- 清潔な手で哺乳瓶と乳首を用意する
- 哺乳瓶は事前にしっかり洗い、消毒しておく
- 粉ミルクを説明書どおりの量を正確に量る
- 70度以上のお湯で粉ミルクを溶かす
- よく混ぜてから、水や流水で人肌まで冷ます
ミルクにミネラルウォーターを使う場合でも、基本の手順は同じです。
お湯に使う水を、水道水かミネラルウォーターか、赤ちゃん用の水か、という違いと考えるとイメージしやすくなります。
外出先でミネラルウォーターを使うとき
外出先では、いつものように湯冷ましを用意するのが難しい場面もあります。
そんなとき、ミルクにミネラルウォーターを使えたら便利だと感じるお母さんも多いはずです。
外出先でミネラルウォーターを使うときは、あらかじめ硬度の低い軟水のペットボトルを選んで持参しておくと安心です。
また、最近は授乳室やベビー休憩室に調乳用のお湯が用意されている施設も増えています。
そういった場所では、70度以上のお湯で粉ミルクを溶かし、冷やす段階でミネラルウォーターを少し混ぜて温度を調整する、という使い方もできます。
災害時や非常時の備え
地震や停電などの災害時には、水道が使えない状況になることも想定しておく必要があります。
赤ちゃんがいるご家庭では、ミルクに使える水をどのくらい備蓄しておくかを、日頃から考えておくと安心です。
一般的には、1日に必要な水分量の目安と、数日分の備蓄を組み合わせて、ペットボトルの水をまとめて準備しておくとよいと言われています。
このとき、ミルクにミネラルウォーターを使う可能性も考えて、硬度の低い軟水や赤ちゃん用の水を優先して選んでおきましょう。
粉ミルクのほかに、液体ミルクを用意しておくと、お湯や水が限られている状況でも対応しやすくなります。
赤ちゃんの月齢と水の使い方
ミルクにミネラルウォーターを使うかどうかは、赤ちゃんの月齢によっても考え方が少し変わってきます。
ここでは、新生児から離乳食が進んだ時期まで、月齢ごとの水の使い方の目安をお伝えします。
新生児期から生後3か月ごろまで
新生児期から生後3か月ごろまでは、赤ちゃんの腎臓や消化機能がまだとても未熟な時期です。
この時期は、ミルクや母乳以外のものを与えないのが基本で、水分はすべてミルクや母乳から摂ると考えます。
ミルクに使う水についても、できるだけシンプルで安全性の高い「水道水の湯冷まし」を中心に考えると安心です。
どうしてもミルクにミネラルウォーターを使う必要がある場合は、硬度の低い軟水を選び、一度沸騰させてから使うようにしましょう。
心配な場合は、かかりつけの小児科医に相談し、赤ちゃんの体調に合わせたアドバイスを受けるのがおすすめです。
生後4か月ごろからの変化
生後4か月ごろになると、赤ちゃんの体もしだいにしっかりしてきて、ミルクの量や飲み方にも余裕が出てきます。
それでも、まだメインの栄養源は母乳やミルクであり、水やお茶を積極的に与える必要はあまりありません。
ミルクにミネラルウォーターを使う場合も、基本的には新生児期と同じく、硬度の低い軟水を選び、一度沸騰させてから使うという考え方で問題ありません。
お出かけが増え、外でミルクを作る機会が増えてきたら、赤ちゃん用の水や、ミルクに使えるミネラルウォーターを上手に取り入れていくと良いでしょう。
赤ちゃんの体重や排便の様子をよく観察し、普段と違う変化がないかを意識しておくことも大切です。
離乳食が始まった後の水分のとり方
離乳食が始まる生後5〜6か月ごろからは、少しずつ水やお茶を飲む機会も増えていきます。
この頃になると、ミルクにミネラルウォーターを使うことに対する心配も、生後すぐの頃よりは少し軽くなってきます。
それでも、ミネラル分の多い硬水は引き続き避け、軟水や赤ちゃん用の水を中心に使うのが安心です。
離乳食で野菜や果物、スープなどからも水分とミネラルをとるようになるため、全体のバランスを見ながら水の選び方を考えていきましょう。
熱い時期や体調を崩したときは、とくに水分不足にならないように気を付け、ミルクや白湯、お茶などをこまめに与えることも大切です。
お母さんが知っておくと安心なQ&A
最後に、ミルクにミネラルウォーターを使うときに、お母さんからよく聞かれる疑問をまとめておきます。
細かいポイントを押さえておくことで、日々の不安が少し楽になるはずです。
沸騰させずにそのまま使ってもよいのか
市販のミネラルウォーターは、そのまま飲めるように管理されていますが、赤ちゃんのミルクに使うときは、基本的には一度沸騰させてから使うことが推奨されます。
これは、粉ミルク自体に含まれる可能性のある菌を70度以上のお湯でしっかり殺菌する、という意味合いもあるからです。
そのため、ミネラルウォーターを使う場合でも、一度沸かしてからミルクを作り、人肌まで冷ますという手順を守ると安心です。
どうしても沸かせない状況でやむをえず使うときは、赤ちゃんの体調をよく観察し、自己判断だけで続けないように気を付けましょう。
粉ミルクの味や栄養への影響は?
ミルクにミネラルウォーターを使うと、味が少し変わったり、飲み具合に差が出ることがあります。
| 影響の種類 | 原因となりやすい要素 | 気を付けたいポイント |
|---|---|---|
| 味の変化 | ミネラル分の多さや水の風味 | 赤ちゃんが飲みたがらない場合は水を変更する |
| 栄養バランス | カルシウムやマグネシウムの過剰摂取 | 硬度の高い水を避ける |
| お腹の調子 | 急なミネラル量の変化 | 便の様子を観察し、合わなければ元に戻す |
基本的に、硬度の低い軟水を適切な方法で使っていれば、粉ミルクの栄養バランスが大きく崩れる心配は少ないと考えられます。
それでも、赤ちゃんによっては味やお腹の調子が変わることがあるので、違和感があれば、水の種類を変えてみるのもひとつの方法です。
日常で無理なく続けるために
ミルクにミネラルウォーターを使うかどうかは、絶対の正解がひとつだけあるわけではなく、ご家庭の生活スタイルや赤ちゃんの様子によって変わってきます。
大切なのは、「赤ちゃんが元気に育つこと」と「お母さんが必要以上に不安になりすぎないこと」のバランスです。
基本は水道水の湯冷ましを使いながら、外出時や非常時にはミネラルウォーターや赤ちゃん用の水を上手に取り入れる、という柔らかい考え方でも十分です。
不安なときは、ひとりで抱え込まず、周りのお母さんや助産師さん、小児科の先生などに気軽に相談してみてください。



